婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
「なつ 今日のドレス凄く似合ってたよ。なつにはやっぱり、ああいう可愛いのが合うんだな…。」
圭司は、そう言って星空を見上げた…。
あれから教会でドレスを試着し、帰り道に海辺のレストラで食事をして そのまま海岸へとおりた…。
誰もいない夜の砂浜で圭司とふたり、波の音を聞きながら語り合っていた。
「ありがとう。ちょっと痩せちゃったからあのドレス着れるか心配したけど大丈夫だったね」
私がそう言うと、圭司が私の頬に手を当てた。
「なつ 聞いてもいい?」
「うん? なに…?」
「なつはさ 俺がなつを芹香の身代わりにしてると思ったんだよな…? そんなに、俺 芹香に未練あるように見えたか…?」
圭司の言葉に、辛かった日々が蘇る。
そもそも 圭司が私と付き合ったのは、芹香さんに似ていたからだった。今は、本気で私のことを愛してくれていると分かったけれど、その事実だけは変えられない…。今更そんなこと蒸し返すつもりはないけれど、あの時の私の気持ちだけ圭司に伝えよう…。
「うーん 実はね、浩太さんから圭司と芹香さんの話、色々聞いちゃたの… 私と付き合ったのは芹香さんによく似ていたからでしょ? それ聞いたら、圭司は私に芹香さんを求めてたんだって思って、そのうち触れられるのも辛くなっちったの。でも もうそんなふうに思ってないから…。今はちゃんと私を好きでいてくれてるの分かってるから大丈夫…。」