婚約者はホスト!?②~愛が試される時~

私は、圭司が気にしないようにと明るく話したつもりだったけれど、圭司はそんな私を切なそうな目で見つめた。

「なつ ごめんな…。俺がちゃんと話しておくべきたったよな…。」

圭司に謝られて余計悲しくなる…。

「もうその話はいいよ。私 もう 気にしてないし…」

「なつ…誤解してるみたいだけど… 俺がなつを好きになったのは芹香に似てるからじゃないよ…。」

「えっ…?」

「確かに、なつを初めて見たときは芹香にそっくりだと思ったよ。あの頃の俺は、芹香を忘れられなかったから、なつのこと気になって目で追うようになってた。でも すぐに、気づいたよ。芹香となつは全然似てないって…。」

「似てない…?」

私は圭司の言葉に首を傾げた。

「うん…。二人は面白いくらい似てなかったよ…。なんだろうな 強くて凛としてる芹香と違って、なつはさ いつも一生懸命なんだけど不器用だし、危なっかしくってさ…そのうえ世間知らずだし…悪い男にでも騙されちゃいそうな感じで、見ててほっとけなかったよ。」

「それって なんか 私 さらっとダメ出しされてない…?」

圭司がクスッと笑った。

「俺にとっては、なつがめちゃくちゃ可愛いかったってことだよ…。俺 なつみたいなタイプに弱いんだよ…実は。」

「うん…。」

圭司の言葉に顔がぽーと赤くなっていく。


< 137 / 166 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop