婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
「でもさ ある日なつの噂を耳にしてさ…。」
「私の噂…?」
「うん 婚約者がいるっていう噂…。田島のことだよな…皆が言ってたのは…。肝心のなつは何も知らされてなかったみたいだけど…。」
「そうだったんだ…。全然 気づかなかった」
「俺さ それ聞いた瞬間、そいつに取られたくないって思ったんだ。まだ なつは俺のことなんて知りもしないと思ったけど、いてもたってもいられずに、なつに告白したんだ…。もう その頃には芹香のことなんて、すっかり忘れてたよ…。俺は、付き合ってからも、なつに芹香を重ねたことなんて一度だってない。芹香に再会しても昔のような気持ちはいっさい無くなってた。なつ…俺は、初めからなつだけを愛してたんだよ。」
ジワジワと涙がこみ上げてきた…。
圭司の言葉があまりにも嬉しくて、私は圭司の胸に顔をうずめるようにして抱きついた。
「やっと なつから俺に触れてくれたね…。」
圭司が私の背中に手を回しながら呟いた。
「あっ…。」
そうだった…。
私は圭司への不信感から、圭司に触れられなくなっていたんだ。
「あの時期は本当に辛かったよ…。なつがどうして俺を避けるのか正直わからなくて、すごく悩んだし…。そんな時に、なつとあいつのキスシーン見せられて、俺 どうにかなりそうだった。まあ あいつが勝手にしたことで、なつのせいじゃないんだけどな。その日だよ…教会に式の申し込みに行ったのは…。もう一度、なつの気持ち取り戻したかったんだ。」