婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
「圭司…。」
「でも 取り戻す前に別れることになっちゃつたけどな…。正直 怖かったよ。なつのこと奪い返すつもりで日本に帰ってきたけど、なつがあいつと幸せそうにしていたら、なつの為に身を引くべきなのかとも考えたし。まさか 全部嘘で実家に戻ってたなんて思いもしなかったからさ…。なつ もう こういうの勘弁な…。」
「うん… ごめんなさい…。」
私も辛かったけれど、同じくらい圭司にも辛い思いをさせていた…。
圭司の弱々しい声があまりにも切なくて、私は圭司への愛おしさでいっぱいになった。
そんな気持ちを抑えられずに、私は顔を上げて圭司の唇にキスをした。
ふいうちだったのか、圭司は一瞬目を見開いたけれど、すぐに私から主導権を奪っていった。
久しぶりのキスに、二人の呼吸はどんどん乱れていった…。
波の音を聞きながら、私も必死で圭司の唇を求めた。
「なつ… これ以上はヤバい…。」
「えっ…。」
圭司は、私から唇を離してそう呟いた。
「今 止めないとここで最後まですることになっちゃうけど…?」
「えっ? それはだめ…!」
私が慌てて首をふると、圭司はふっと笑った。
「もう なつがキスなんてしてくるから…。こうなると思ってずっと俺は抑えてたのに…。
まあいいや ちゃんと責任とってもらうから」
圭司はニヤっと笑って、立ち上がった。