婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
「いや ずっとなつのだと思ってたし…いつの間にか入ってたからさ、変えたら悪いかと思ってたんだけど…。芹香のだったか…これ ずっとなつに嫌な思いさせてた?…ごめん。」
「ううん もういいんだけど…。この曲って 昔 流行った映画の主題歌だったよね?」
「ああ なんか恋愛ものだったよな…。」
「うん その映画 芹香さんと見に行ったりした?」
「えっ? ああ あいつと行ったかもな…。」
やっぱり そうだ…。
芹香さんは、圭司に気づいて欲しかったんだ。
あの頃に戻りたかったんだよね。。
「圭司は この曲聞くとどう感じる…?」
「どう感じるか…? うーん ああ そう言えばあの映画さ 最後 男が人妻奪って逃げるんだよな…。ん? ってことは…駆け落ちがテーマか この曲…。縁起悪いとしかいいようがないな。」
そう言って、圭司は片手でCDを取り出した。
そんなもんだったのかと急に気がぬけた。
あれほど悩んだ自分は一体なんだったのだろうか…。
「ねえ 圭司。」
「なに…?」
「私ね これからは遠慮しないで何でも圭司に聞くようにするから…。だから 圭司も隠さないでちゃんと答えてね。」
「いいよ。俺はなつに聞かれた事は何だって答えるから…。 じやあ 俺も遠慮なく聞くけどいい?」
「うん…。いいよ!」