婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
「さっき あいつからラインきてただろ…?
なんて書いてあったの…?」
そうきたか…。
また 話がややこしくなりそう…。
「えっ… いや 別にたいしたことじゃなかったよ…。」
「ふーん じゃあ 見せて…。」
「えっ。」
圭司はパッと私の手から携帯を奪い取った。
ちょうど赤信号で車も止まり、圭司は松井くんからのラインを声を上げて読み出した。
「『なつ おめでとう。どうなったかと心配してたけど良かったな。俺はいつまでもなつの味方だから…。また旦那に泣かされたら、必ず言えよ。すぐにかけつけてやるから…。』って何だよ これ…。」
もう 松井くん…。
余計なことをしてくれて…。
「まあ いいや なつ こっち向いて。」
圭司に言われて顔を向けた瞬間、私は圭司にキスをされた。
カシャ!
「えっ…? 今 圭司 写真取ったよね?」
圭司は、片手に携帯を持ってなにやら操作している…。
「よし これで送信っと…。はい 返す。」
「送信って!? まさか圭司 今のどこかに送ったの??」
圭司は何も答えずに、しれっとした顔でハンドルを握っている。
慌てて携帯をみれば、さっき撮った圭司とのキスシーンがしっかりと松井くんに送られてしまっていた。
そして 返事には…『余計なお世話』と…。
私はがっくりと肩を落とした。
「もう 圭司!」
「俺 やられっ放しは嫌いだから…。」
そう言って、圭司はイタズラぽっく笑った。
松井くん…。
私 今 すごく幸せだよ。
愛しい人の横顔を見ながら、心の中でそう呟いた。