婚約者はホスト!?②~愛が試される時~

私は、圭司と並んで手を合わせた。

『おば様、どうか私たちのこと見守っていてくださいね…。』

目を開けると、スーと風が通り抜けた。
同じタイミングで圭司も立ち上がり、私の手を握る。

「帰ろっか…。」

私はうんと頷き、圭司の手をぎゅと握った。



「なつ。 このあと寄りたいところがあるんだけど…。」

圭司にそう言われ、車で連れてこられたのは海岸線沿いにある教会だった。

「圭司…。ここって…。」

「そろそろさ 式だけでもどうかなって…。」

教会のドアに手をかけながら圭司が言った。

そう あれから私達は、まだ 結婚式を挙げられていなかった。
おば様の喪が開けて私の父の一件が落ち着いたらという約束だったけれど、私の方も就活で忙しくなってしまったのと、父か未だに世間から、疑惑の目で見られているという事もあって
結局そのままになってしまった。

「なつの就職も決まったし、式だけならなつのお父さんも出てくれるんじゃないかと思って見学の予約を入れておいたんだ。なつはさ ここで式を挙げたかったんだろ…?」

圭司の言葉に、胸が熱くなる。
私は密かにここ、サンカトレア教会で挙式することに憧れていた…。

「でも どうしてわかったの…?」

私の質問に圭司はふふっと笑った。








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