婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
「なに その小学生みたいな絡み…。」
圭司はぷっと吹き出した。
「いや そんな可愛いものじゃないんだから…。マナー講座の時なんてね 一緒のペアになっちゃって散々ダメ出しされて…それで…」
「なつ もう 松井君の話はいいよ…。」
そう言って、圭司は私の口をキスで塞いだ。
「ベッドの上で、他の男の話は禁止…。」
「ん… 圭司…。」
リップ音を立てながら、圭司が私の唇を味わうように堪能する。
圭司の甘くとろけるようなキスに、私の体はどんどんと熱を帯びていく。
私はもっと圭司に触れたくて、大きな背中に自分の手をまわした。
それが合図となって、圭司の唇と手が私の体の上で忙しく動き出した。
とその時、枕元に置いてあった圭司の携帯が鳴りだした。
私は、慌てて圭司をとめた。
「圭司 携帯鳴ってる…。」
圭司は、不機嫌そうに携帯の画面を確認すると
また ベッドの脇に放置した。
「出なくていいの…?」
「浩太からだから…。」
浩太というのは、美優の彼氏であり圭司とは高校からの付き合いだ。
「急用かもしれないし出た方がいいよ。」
私の言葉に、圭司は仕方なく携帯に出た。
「もしもし 何…?」
圭司は、素っ気ない感じで相打ちを打つ。
「えっ? あ うん…。」
一瞬、私を気にして口ごもったように感じた。
そして、携帯を持ったまま、圭司は部屋を出ていった。