婚約者はホスト!?②~愛が試される時~

何か、ちょっと怪しい…。
別に女の人からかかってきた訳ではないけれど、明らかに私に聞かれたくない話のようだった。
いけないとは思いつつ、ベランダで話す圭司の声をそっと盗み聞きした。

「ああ 芹香と一緒に組むことになった…。ん? もう それは昔の話だろ…。今更 そんなこと思わないよ…。とにかく なつには絶対言うなよ…。ああ 頼む…。じゃあ 切るから…。」

私は急いでベッドへと戻る。。
すぐに、電話を終えた圭司が寝室へと入ってきた。

「浩太さん 何だって?」

「えっ? ああ 別に大した事じゃないよ…。」

そう言うと、圭司はベッドに入り私を抱き寄せた。
再び 圭司の唇が私の首筋を這う。
私は、圭司の体を両手で押しのけた。

「なつ? どうした…?」

圭司が驚いた顔で私に聞く。

「ちょっと 今日は疲れちゃった…。ごめんね…。おやすみ。」

私はそう言って、圭司に背中を向けて目を閉じた。

「なつ…?」

背中から私をよぶ圭司の声が聞こえたけれど、私は振り向かず寝ているふりをした。

圭司は、「寝ちゃったの…?」と言って私の体を後ろから抱きしめた。
圭司のぬくもりを感じ、なぜか 私の目から涙が溢れてきた…。

さっきの話は、大した話ではないのかもしれな
いけど、やっぱり 隠しごとをされたことが悲しかった。
私達の間に秘密などないと思っていたから…。









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