婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
私が鼻をすする音に気がついて、圭司が私の体ごと自分の方へと向けた。
「なつ どうして泣いてるの…? もしかして
さっきの電話…?」
私は、圭司の言葉に黙って頷いた。
「やっぱり そっか…。」
「聞いちゃったの…。圭司が私には言うなって浩太さんに言ってたの…。 芹香さんって…誰…?」
「ごめん…。返って不安にさせたよな…。」
圭司は、すまなそうな顔で言った。
「実はさ 芹香っていうのは春から俺のアシスタントになった子なんだけど…。」
「うん…。」
圭司が言いずらそうに間を空けた。
「昔 付き合ってた彼女なんだ…。」
私は、圭司の衝撃的な言葉に耳を疑った。
「えっ? なんで…。」
「うーん 俺もびっくりしたんたけど…。今までうちの会社のロシア支社にいたらしいんだ。
春に本社に転勤になって、初めて俺も知ったんだけどさ…。なつに余計な心配させると思ってどうしても言えなかった…。」
「確かに気にしちゃうけど、知らないでいることの方がもっと嫌だよ。隠しごととかされたくない…。」
「うん ほんとにごめん…。」
圭司は謝りながら、私の流した涙のあとを指でそっと拭き取った。
「でも どうして浩太さんが関係あるの…?」