婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
一方、松井くんの指導係は、滝本主任という男性社員だった。
「そうそう 瀬崎さんと松井くん 今日は宴会部合同の歓迎会なんだけど…都合大丈夫? 遅番の人たちが合流するから 結構長い飲み会になるけど…。」
私の指導係の紺野さんが私と松井くんに向かって尋ねた。
「はい 大丈夫です」
すぐに、松井くんが返事をした。
私もすぐに、笑顔で大丈夫ですと答えた。
お昼休憩になって、私は葵と一緒に社員食堂へと向かった。
「結構 混んでるよね…。あっ あそこ空いてる!」
そう言って、葵は食堂の隅にある4人がけのテーブルを指差した。
「うん あそこにしよう!」
私と葵は、向かい合って席に座った。
「それにしても、あの松井がそんなに猫かぶってるなんてね…。意外…。」
葵がおかしそうに笑った。
「うん 私ももっと協調性のないタイプだと思ってたんだけどね 意外とね…。」
そう言って、唐揚げをほうばっていたら、松井くんがバンっとトレーを置いて私の隣に座ってきた。
「なに さっそく俺の悪口か…?」
いつもの調子で松井くんが私に絡む。