婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
「そのわりには、なつの隣くるよね~。」
葵が茶化すように言った。
「はあ? 別に…俺はただ こいつにブライダルフェアのことで話があって来ただけだよ!」
松井くんが不機嫌そうに言った。
「ブライダルフェア?」
私の言葉に、松井くんが呆れたように言った。
「おまえ ちゃんと話聞いてたのかよ! 5月のブライダルフェアはさ、連休中に模擬挙式とかやるから、いいアイデアがあれば取り入れるって言ってただろ…?」
「それは知ってるけど、あれは私達に言ってたんじゃないでしょ…? まだ 新人だし…。」
「何言ってんだよ! 室長が勉強のつもりで 俺達にも企画書出すようにって言ってたじゃん…。ほんとおまえって話聞いてないよな!」
「えっ? そうなんだ…。」
「今度の休みさ 俺達ちょうど一緒の日だから、二人でホテル巡りするぞ…!」
この松井くんの発言に、私より先に葵が口を出した。
「ちょっと 松井! なつにカップルのふりしてブライダルフェアに行けっていうの…? いくら仕事の為だからって、なつには旦那さんがいるんだから。」
「うん 私も困る…。」
「いや だって俺ひとりじゃいかれねーし…。
おまえだって、旦那と休み合わねんだろ…?」
確かに圭司とは休みが合わない…。
休日も出勤しているから、代休でもありそうな気もするけれと…。