婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
ちょっと考えこむ私に、松井くんは言う。
「新人だろうが何だろうが、せっかくのチャンスなんだら本気でやらないとさ…! その為に今週中に他のホテルの企画を見とく必要あるだろ…?」
「わかったよ…。でも 圭司に了解が取れたらね…。」
「えっ! なつ そんなこと旦那さんに言って大丈夫なの…? なつ達って、まだ結婚式だって挙げれてないんでしょ? 絶対いい気しないって…。」
葵が心配そうに言った。
「じゃあさ 今 携帯で聞いてみてよ…。ダメだったら諦めるからさ…。」
松井くんに急かされ、私は仕方なく圭司にラインを送った。
「でも 圭司忙しいから すぐにはこないかもよ…。」
そう言いながら、送信ボタンを押すとすぐに既読がついて返事が返ってきた。
『いいよ』
えっ?
いいの…?
それも 即決したよね…?
私はちょっと肩すかしを喰らった気分になった。別に止めて欲しかった訳じゃないけど、他の男の人とカップルの真似事なんて絶対圭司は嫌がると思っていたから…。
「なんだ…。悩むことなかったじゃん! じゃ
決まりだな…。」
そう言って、松井くんはニヤリと笑った。
圭司…。
本当に嫌じゃないの…?
今まで考えないようにと目をそらしてきた芹香さんの存在を早くも意識してしまった…。