婚約者はホスト!?②~愛が試される時~

歓迎会は、 7時からスタートした。
宴会部部長の長い話のあと、やっと乾杯になった。

私は、松井くんや葵、田辺くん達と4人で上座に座っていた。

「うちはブライダル室と違って男性が多いから、皆すごく飲むみたい…。サークルののりだって先輩が言ってた…。」

葵が私に耳打ちした。
見れば、あちこちで生ビールの一気飲みが始まり、上半身裸の人までいる。

「うわー。何これ…。」

思わず、その光景に顔が引きつる。
私は門限が厳しかったから、サークルの飲み会なんて参加したことがなかった…。
初めて味わうお酒の席に、ただただ驚かされてしまう…。
昼間はあんなに真面目そうに仕事をしていた人達が、こんなにも豹変してしまうなんてと信じられない思いで見つめていた。

「ねぇ 瀬崎さん達、そろそろ お酌に回ったほうがいいんじゃない…?」

紺野さんに言われ、私もビールを抱えてお座敷を回った。

「ほら なっちゃんも一気に飲みなよ~。ほら~これくらい飲めなきゃ~」

私は、すっかり出来上がったグループの席につかまってしまった。

言われるがままに、注がれたお酒を飲んでいるうちに、だんだんと気持ちが悪くなってきてしまった。

私は、ふらつきながら化粧室へと立った。
歩き出すと、船の上にいるかのように、自分の体がグラグラと揺れている。

私は化粧室で何度か戻した後、ドアの前にあるベンチにすわり暫く休むことにした…。
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