婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
昔の彼女~圭司side~
今日も朝から忙しく、結局 また 昼食を食べ損ねてしまった。
俺は、ふーと息を吐いて休憩室へと向かった。
うちの会社が手がけたスポーツウェアの新作発表会に向け、ここ最近は深夜の帰宅が続いていた。
朝も早く出社しているせいで、なつとは何日も顔を合わせていない。
休憩室でコーヒーを飲みながら、携帯の画面に視線を移す。
そこには、昼にやり取りしたなつとの会話が残っていた。
企画書の勉強の為によそのホテルのブライダルフェアに行ってもいいかという内容だったのだが、俺は余りの忙しさによく読みもせずに『いいよ』と返事してしまった…。
よくよく読んでみると、そこには松井くんと一緒にと書いてあったのだ…。
男と一緒にブライダルフェアに行くということは、当然婚約中のカップルとして相談にいくということだろう…。
想像しただけで、気分が悪くなっていく…。
でも 今更 行くなと言ったところで、俺は今、なつの為に休みを取ってあげられない…。
それに なつの仕事を応援すると言ったのはこの俺だ。
こんなくだらないヤキモチで、せっかく頑張っているなつの邪魔なんてしたくない。
俺は携帯をポケットにしまい、休憩室を出た。