婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
「芹香…。それ食べたら帰りなよ。お金ここ置いとくな。」
「圭ちゃん! 私 アシスタントなんだから仕事くらい手伝わさせて…。本当はお昼だって圭ちゃんにお弁当作ってあげたいけど奥さんに悪いと思って出来ないし…。でも 圭ちゃん見てたら、倒れちゃいそうで心配なの…。私に出来ることは頼ってよ…。」
芹香は真っ直ぐな瞳で俺を見つめた。
昔もよくこの瞳で、俺のこと心配してたよな。
「芹香にはかなわないなよな…。じゃあ ごめん 今日だけ手伝って…。」
そう言うと、芹香はニコリと笑ってお弁当を食べ始めた。
俺が芹香と出会った頃も、こんな感じだった。
高校に入学した当時の俺は、いい加減なオヤジに反抗してヤンチャばかりしていた…。
高校はそこそこ進学校だったけれど、俺は中学時代の仲間と連んで適当に女遊びしたり、喧嘩したりと、とにかく滅茶苦茶だった…。
優等生の芹香は、そんな俺を心配して毎日のように俺の家にやってきた。
『瀬崎くん こんな事ばかりしていたら本当にダメになるよ…。ちゃんと学校へきてよ!』
でも俺は、そんな芹香の忠告にも耳を貸さずに相変わらずの生活を続けていた。
そんなある日、俺はうかっり暴走族のリーダーの女に手を出してしまった。
数人に取り囲まれて、無抵抗のままボコボコにされていた俺の所へ、芹香が飛び込んできた。