婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
「そんな酔っ払い相手にいちいちつき合わなくていいから…。今度からウーロン茶でも手に持ってウーロンハイだって言っとけ…。」
「うーん そんな騙すようなこと私に出来るのかなぁ…。」
私の言葉に圭司がちょっと冷たい目になる。
「でも 明日は松井くんとふたりで、ホテルのスタッフ騙しに行くんだろ…?」
「いや 騙しにっていうか、どういう事してるか見せてもらうだけで…。あっ やっぱり
圭司嫌だった? だったら 今からでも断るから…。」
慌てて言う私に、圭司はふっと笑った。
「冗談だよ…。でも なつ 演技下手そうだからな。まっ でも 松井くんそういうの上手そうだし大丈夫か…。じゃ 俺 もう行くな。今日も帰り遅くなるから…。」
「うん いって…らっしゃい…。」
そう言って、圭司は行ってしまった…。
私はベッドから起き上がった。
思った以上に昨日のお酒が残っているようで、まだちょっと気分が悪い…。
でも こんなに気持ちが晴れないのは、お酒のせいだけじないかもしれない…。
それは、きっと圭司の気持ちが見えないからだ…。
明日のブライダルフェアだって、あんなにあっさりと許してくれるなんて意外だった。
昔の圭司なら、行くなとは言わないにしても もう少し、やきもちみたいな感情を見せてくれたはずなのに…。
今は、圭司の心が全く読めない…。
私への関心が薄れているのではないかと不安になる…。
仕事が忙しいせい?
それとも 芹香さんが圭司の近くにいるせい?
私は、深く溜め息をついた。