婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
「おはようございます。」
私は、ブライダル室のテーブルを拭きながら出勤してきた紺野さんに挨拶した。
「おはよう 瀬崎さん…。ねえ 昨日あれから大丈夫だったの? 松井くんが、瀬崎さんが具合悪くなったから送って行くって言ってたから心配してたのよ…。」
「はい すみませんでした…。結局 主人に迎えに来てもらったんですけど…。」
「そっか うちの飲み会、いつもあんな感じだからね…。あっ そうそう 今日はねパンフレットの発送作業があるから、松井くんと二人でやってもらえる…? 会議室使っていいから。」
そう言って、紺野さんはパンフレットの入ったダンボール箱を指差した。
「あっ はい。わかりました。」
私は、ダンボール箱を両手に抱えて、会議室へと向かった。
廊下を歩いていると、私の抱えていたダンボール箱を横からスッと松井くんが取り上げた。
「なんで俺に声かけないんだよ…。結構重いじゃん…。」
「ありがとう。あっ 昨日迷惑かけちゃったみたいでごめんね…。私、全然記憶なくて、圭司に聞いてびっくりしちゃった…。」
「いや 俺はいいんだけどさ、女が記憶なくすくらいまで飲むなよ…。俺じゃなかったら、絶対お持ち帰りとかされてたぞ…。旦那も心配してただろ…?」