婚約者はホスト!?②~愛が試される時~

「俺たちさ 籍も入れてもう夫婦には変わりはないけど、こうやって神様の前で誓うっていうのも結構大事だよな…。」

「圭司…。」

「ここさ、半年先まで埋まってるらしい。今 だったら、なつの就職にもギリギリ間に合うから、今日予約入れようか…?」

圭司の言葉に、私は笑って頷いた。

「圭司 ありがとう。おじ様にもなんとか連絡とらないとね…。」

「そうだな…。まぁ いなくても俺はいいんだけどさ…。なつがそういうのなら、ちゃんと連れてくるよ。」



教会からの帰り道、私は海を眺めながら幸せな気分に浸っていた。

来年の3月3日、私達はあの教会で式を挙げる。
神様の前で、永遠の愛を誓うのだ。

ふと視線を感じ運転席の方へ顔を向けると、圭司が私を見つめていた。
ちょうど、車は赤信号で止まっていた。

「何…?」

私が首を傾げると、圭司は私を運転席へと抱き寄せた。

「なつが今 何を考えてるのかなと思って。」

「えっ…? うーん 幸せ過ぎて恐いなって考えてた…。」

私がそう答えると、圭司はにこっと笑って私の唇に軽くキスをした。

すぐに信号が青に変わって、私は圭司から体を離した。

この頃の私達は、ふたりの愛は永遠に揺るがないものだと信じて疑わなかった。
まさか近い将来、二人の絆が試される時がやってくるなどとは思いもよらずに…。
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