婚約者はホスト!?②~愛が試される時~

ニヤニヤする田辺くんの後ろから、葵も続いて入ってきた。

「ほんとだ~ 二人して真っ赤な顔しちゃって…。松井 なつに何か変なことしてたんじゃないの~?」

「するかよ! 二人でパンフレットの封入作業やってただけだよ。」

疑惑の目を向ける葵に、松井くんは面倒くさそうに答えた。

「あっ それより 昨日 なつ大丈夫だったの? 途中でいなくなったから何度かメールしたんだけど…。」

「あっ こめんね。葵のメール 朝、気がついたんだけどバタバタしてて…。実は、あれから松井くんが圭司を呼んでくれたみたいで…。私は全く覚えてないんだけどね…。」

「えー。そうだったんだ…。そう言えば、なつ 随分飲まされてたもんね…。」

「俺も昨日は一気飲み散々させられて、明け方まで付き合わされたんだよ。今日は二日酔いでもうだめだわ…。」

そう言って、田辺くんは椅子に腰掛けてテーブルの上にうつ伏してしまった。

「で…おまえらは、ここに何しに来たの…?」

松井くんが葵たちに言った。

「あっ いけない! 会議の準備任されてたんだった…。ほら 田辺くんこんなとこで寝てないで…。」

葵が田辺くんの体を必死に持ち上げている。

「それじゃ 俺達はそろそろ行くか! 」

そう言って、松井くんが段ボール箱を両手で持った。

「うん そうだね…。」

私も頷いて、松井くんとふたり 会議室を後にした。
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