婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
「お先に失礼します。」
私はお辞儀をして、ブライダル室を出た。
廊下を歩いていると、松井くんが走ってきた。
「なつ 明日のこととか夜メールするから…。
じあな…。」
松井くんは私にそれだけ耳打ちすると、また ブライダル室へと戻っていった。
松井くんは、最近遅くまで残って滝本主任と一緒に勉強会をしているらしい。
本当に、この仕事に情熱をもつているだなと思う。
私も負けていられない。
秋にあるブライダルプランナーの試験に向けて勉強することは山ほどある…。
帰ったら、私もやらなくちゃ…。
私は、マンションの近くにあるスーパーに寄っていつものおお惣菜コーナーへと向かう。
最近 圭司の帰りも深夜になることが多いため、すっかり このコーナーの常連となってしまった…。
本当に主婦として失格だと思う。
私は、マンションにつくと買ってきたお惣菜を食べながら、さっそくテキストを開いた。
早く私も一人前になりたいな…。
何も取り柄のない私にも、自信をもって輝ける場が欲しい。
そしたら 圭司もきっと喜んでくれるだろう。
そんな思いを胸に私は張り切っていた。
ふーと一息ついたとき、携帯のバイブがメールの着信を知らせた。
「松井くんからだ…。」