婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
『明日は午後1時に、サンバサダーホテルのロビー集合』
なにこれ…。
だいだい 恋人同士が現地集合っておかしくない…?
あんな練習までさせといて、自分は詰めが甘いんだから…。
まあ いいや…。
私は、気を取り直してコーヒーを飲みながらリビングの時計に目をやった。
時計の針は、11時をまわっていた。
圭司に会いたいな…。
一緒に住んでいるのにまるで遠距離恋愛でもしているかのように恋しい。
ひとりきりのリビングは、いっそう寂しさが募っていく。
その時 再び携帯のバイブがなった。
画面には、今まさに恋焦がれていた圭司の名前が…。
「もしもし!」
早く声が聞きたくて、つい声が大きくなる。
「あっ なつ…?」
「うん 圭司 まだ仕事…?」
「ああ もうちょっとかかるかな…。それより明日さ 俺 朝から幕張の方に車で行って終わり次第帰ることにしたから、夜は一緒にご飯でも食べに行こうよ。」
私は圭司の言葉に、嬉しくて涙が出そうになる。
「ほんと!? すごく嬉しい! 最近 全然 圭司にゆっくり会えてなかったから…。」
「うん 明日のブライダルフェア終わったら、そのままどっかで待ってて…。」
私が圭司の言葉に「うん」と返事しようとしたその時、電話の向こうから女の人の声が聞こえてきた。