婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
私は不安に耐えながら、ひたすら圭司の帰りを待っていた。
圭司 早く帰ってきてよ…。
何度も、ベッドの中で呟いていた。
すると、玄関のドアがガチャと開く音が聞こえて、圭司が寝室へと向かってきた。
私ははっとして、ベッドから身を起こした。
やがて寝室のドアが開いて、圭司が部屋の中へと入ってきた…。
「あれ なつ 起きてたの…? そっか 明日は朝 遅くていいんだっけ…? もしかして俺のこと待っててくれた…?」
圭司は脱いだスーツをハンガーにかけながら、私に言った。
「なつ どうした…? 」
黙っている私を不信に思ったのか、圭司はベッドに腰掛け私の顔を見た。
「えっ あ 圭司 帰って来ないのかと思ってちょっと心配になって…仕事忙しいの…?」
「ああ 今度幕張でやる新作発表会のイベント担当になっちゃってさ…。本当は俺の部署の管轄じゃないんだけど、なぜか その仕事任されちゃったんだよね。今日は、もう少し早く帰ろうと思ってたんたけど、パソコンがトラブっちゃってさ…参ったよ。明日も打ち合わせで幕張だしな…。」
圭司が疲れた顔で言う。
そう言えば、圭司 痩せた気がする…。
休日もなく毎日こんなに遅くまで働いていれば無理もないよね…。
圭司がこんなに頑張っているのに、私は奥さんらしいこと何ひとつしてあげていない…。
それどころか、芹香さんとの事を疑ったりして、なんてダメな女なんだろう…。