婚約者はホスト!?②~愛が試される時~

「こちらが披露宴会場です。どうぞ」

そう言われて、松井くんとふたりでドアの中へと進んだ。
100人くらいが入れる大きさの部屋にテーブルやお花が本番さながらに準備されていた。
テーブルクロスやナフキン そしてお花までもブルーに統一されていて、とても素敵だ。

女性スタッフがカーテンのスイッチを入れると、私達の目の前に、青い空がぱあーと広がった。

「うわー 素敵!」

私は、窓のそばに駆け寄って25階からの景色を見下ろした。

「すごいですね…。夜景も綺麗なんでしょうね…」

私は、スカイツリーを眺めながら尋ねた。

「はい 実は夜の披露宴プランもご用意しておりまして、今度のゴールデンウィークに下見をかねた試食会なども行いますので、ぜひ いらして下さい…。」

「へー そうなんだ…。 他にはどんなことするの…?」

松井くんが食いついてきた。

「そうですね ロビーウエディングの模擬挙式
や有名デザイナーの新作ドレスのファッションショーなども開催致しますので、宜しければぜひ…。」

「ふーん そうなんだ。」

松井くんが感心したように言った。

「あっ それから 本日はウエディングドレスの試着と記念撮影を行っておりますがいかがですか…?」

「どうする? なつ…。」

「えっ? あー 」

「いいじゃん せっかくだから 着せてもらおうよ。」

「あ うん そうたね…。」


衣装室に着くと、年配のおば様スタッフが私達を待ちかまえていた。

「まあ 素敵なカップルですこと…。お嬢様はこのドレスなんてどうかしら…?」
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