婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
「仕事のつもりだったけど、なかなか 面白かったよな…。」
ホテルの近くのカフェでアイスコーヒーを飲みながら、松井くんが言った。
「うん ほんと…。ウエディングドレスまで着させてもらったしね。」
私は、さっき撮ってもらった写真を眺めながら言った。
そこには、純白のウエディングドレスに身を包み、松井くんと一緒ににっこりと微笑えんでいる私がいた。
そう言えば、圭司とは結局 こういう写真も撮れなかったな…。
そんな思いで見つめていると、松井くんの手が伸びてきた。
「俺にも見せてよ…。へー なかなか良くとれてるよな…。この写真さ 額に入れてリビングにでも飾っとけよ。」
松井くんがニヤリと笑った。
「そんなこと出来るわけないでしょ…!」
「はは 冗談…。 でも 捨てるのもったいないから俺のとこだけ切っちゃえば…。」
「うーん 圭司の目につかないとこにしまっとくよ…。」
「まあいいけど…。それよりさ お腹すかないか? どうせ 旦那遅いなら何か食ってこうぜ…。」
さっきまで雨が降っていたせいで外が暗いのだと思っていたけれど、時計を見ると7時半を過ぎていた。
「ごめん 今日は圭司と久しぶりに外食する予定なの…。」