婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
「ふーん。じゃあ そろそろ時間なんじゃねーの? 行かなくていいのかよ…?」
松井くんに言われて、私は慌てて携帯を取り出した。
「いけない…ラインきてた!」
待たせちゃったかな? なんて思いながら見てみると、それは食事のキャンセルの内容だった。
『ごめん! 急に取引先との会食の予定が入った。今 幕張を出てプラザホテルに向かうところ。食事はまた今度にしよう。』
そんな…。
「なに…? 旦那ダメだって…?」
私の落胆振りを見て悟ったのか、松井くんが言ってきた。
「うん 急にプラザホテルで食事することになったみたい…。仕事だから仕方ないよね…」
「そんなにがっかりすんなよ…。夫婦なんだからいつでも会えんだろ…。」
「そんなことないよ…。休みも会わないし、圭司帰りだっていつも遅いし…。やっと 一緒に出掛けられると思ってたのに…。」
「ふーん じゃあ 終わるの待ってれば? プラザホテルってすぐそこじゃん! 晩飯はしょうがないから、俺が付き合ってやるよ…。」
松井くんは、任せろと言うように笑った。
「うーん でも…。圭司に迷惑じゃないかな…。」
「迷惑って… 夫婦なのにそんな気を使う必要ないだろ…。取りあえずさ ご飯食べて帰るから時間が合えば一緒に帰ろうって…メール打っとけよ…。」
こうして、私は半ば強引に押し切られた形で、松井くんとご飯を食べに行く事になった。