婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
松井くんに連れられてやって来たのは、つい数時間前まで私達がいたサンバサダーホテルのレストランだった。
「ねえ 松井くん 何でわざわざここにしたの…? さっきのスタッフの人たちがいたら面倒くさいし、それに ここ結構 高いよ…。」
私は小さな声で、向かいの席にすわっている松井くんに言った。
「だって さっきお前さ、ここの夜景さぞかし綺麗なんでしょうね~って物欲しそうに言ってただろ…?」
「言ったけど…。別に今日 何かの記念日でもあるまいしこんな贅沢なところ…。」
「いいじゃん 今日は俺の奢りだから! ブライダルフェアに付き合ってくれたお礼。まぁ 気にすんな…。」
「えっ…? なんか 気持ち悪い…。何か企んでたりしない?」
私の言葉に松井くんがムッとして睨んだ。
「おまえ ほんと失礼なやつだな…。そんなんで よく 旦那に嫌われないよな…。」
「いや だって 松井くん いつも私に意地悪だから…つい。でも本当にいいの…?」
「ああ 遠慮なく食えよ…。しかし 俺ってそんなにお前に意地悪か…? そんなつもりないけどな…。」
「うん 松井くんは初めて会った時から常に感じ悪いよ…。」
松井くんは、飲んでいたワインをぷっと吹き出した。