婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
それから約一カ月間、私は卒論に没頭した。
そして、式の前日になんとか終わらせることができた。
教授の部屋を出て、私はふーと息を吐いた。
やっと終わった…。
この一カ月、圭司には随分甘えてしまった。
今日は、ちゃんと買い物して帰ろう。
寝不足続きで、ちょっとふらつきながら階段を降りていると、親友の美優が手を振りながら駆け登ってきた。
「なつ!! 卒論 間に合ったんだね!! 皆で心配してたんだから…。」
「うん 今朝やっと終わったの…。ほっとして力が抜けちゃった…。」
そう言いいながらよろける私を美優は慌てて抱き止めてくれた。
「なつ 大丈夫? 顔色も悪いし…。明日は大事な結婚式でしょ! 今日は早く帰ってゆっくり休んだほうがいいよ。」
「うん 心配かけてごめん…。ちょっと寝不足が続いたから…でも 帰って寝れば大丈夫。」
私が笑顔で言うと、美優も明るく笑った。
「そっかぁ 明日のなつのウエディングドレス楽しみにしてるからね!」
「ありがとう…。」
美優と別れて、私は近所のスーパーに寄った。
この一カ月 圭司にはろくなものを食べさせていない…。それどころか、圭司が早く帰って来る日にはご飯を作らせてしまっていた…。