婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
そう言って、浩太さんはビールを飲んだ。
「芹香もさ 圭司のこと諦めないって言ってるらしいよな…。圭司もまいってる感じだったよ…。でもさ、圭司はなっちゃんを裏切るようなことはしてないと思うよ。これだけは俺にも分かるよ。これから先もきっとしないと思う。」
「そう ですね…。」
私は、力無く返事した。
もう 頭の中は何も考えられなかった。
次第に涙が頬をつたい、気づけば私は美優の胸の中で泣いていた…。
---
そのあとのことは、あまり思えていない。
タクシーに乗せられて、美優に玄関までついてきてもらったような気もするけど…。
ふと気づくと、私は服のままベッドの上に横たわっていた。
時計を見ると、深夜の1時…。
ベッドには圭司の姿はなかった。
浩太さんから聞いた話を思い出す。
結局 松井くんの言った通り、私は芹香さんの身代わりだった…。
今まで、圭司が私にくれていた愛情も全て芹香さんへ向けられていたものだった…。
圭司が愛しているのは、私でなく私の中の芹香さんの面影なのだ…。