婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
ブライダルフェア
それから一週間が過ぎた。
圭司とは相変わらず、すれ違いの日々を送っていた…。
「なつ 最近痩せた…? お昼もあんまり食べてないみたいだし…。やっぱり ガーデンウエディングの企画が通ったプレッシャー?」
葵が箸の進まない私を心配そうに言った。
あのあと 私の出したガーデンウエディングの企画が通り、私は新人ながら手配などを任される事になった。
「うーん まあね…。」
私は気のない返事をしながらごまかした。
結局 今日のランチも半分以上残して席を立った。
お昼休みが終わって、私は紺野さんに言われていた機材確認をしに地下の倉庫へと向かった。
当日使う音響の機材がそろっているかををリストを見ながらチックしていく。
ひと通りチックを終え、立ち上がろうとして目眩に襲われた。
この一週間、ろくに食事を取っていないせいか
どうも体調が優れない。
せっかく自分の企画が採用されたというのに 今は喜びよりもこんな状態でできるのかという不安で一杯になる。
夜も、ほとんど眠れなくなっていた。
本当は圭司が帰ってきた時も起きているのだけれど、眠っている振りを続けている。
圭司は、ベッドへ入ると必ず寝ている私を抱きよせる。
温かい胸に包まれて、幸せな気持ちになるのだけれど、すぐに芹香さんの顔が浮かんでくる。
圭司が今抱きしめいるのは、私ではなく芹香さんなのだという現実が私の心を苦しめる。