婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
だからいつも、圭司に気づかれないようにそっとその手を解いているのだけれど、気づくとまた圭司の胸の中にいる…。
そして、会社に行く前にも必ず、眠っている私の唇にそっとキスをしていく。
芹香さんの事さえなかったら、こんなに愛さて
いることを素直に嬉べたはずなのに…。
圭司に愛されれば愛されるほど、辛くなっていく…。
「なつ…。」
松井くんの声が聞こえて、私は顔を上げた。
「紺野さんに手伝うように言われたんだけど、どっか具合でも悪いのか…?」
松井くんは、床に座り込んだままの私に心配そうな顔で言った。
「あ ちょっと目眩がして…。でも 大丈夫。
松井くんはこっちのリストお願いできる?」
そう言って、私は松井くんにリストの紙を差し出した。
「あとは 全部俺がやるからお前は少し休んでろ。 お前 最近全然食ってないだろ? クマも酷いし やっぱり旦那のことか…?」
私は黙って頷いた。
「やっぱり 浮気してたのか…?」
松井くんの言葉に私は首を横に振った。
「違う。でも 松井くんの言った通り、私は芹香さんの身代わりだったみたい。圭司の友達から色々話を聞いて分かったの…。」