婚約者はホスト!?②~愛が試される時~

いよいよ 明日はゴールデンウイーク初日。
ブライダルフェアの目玉イベントであるガーデンウエディングの模擬挙式を行う日だ。
ブライダル室は、朝からバタバタと準備に追われていた。

今日はきっと遅くまでかかるだろう。
明日は、予報では晴れだけれど万が一のことを考えてロービーウエディングの準備も並行して取りかからなければならない。

「瀬崎さんの企画 余計な仕事が増えて良し悪しよね。」

同じブライダル室の女の先輩に嫌みっぽく言われてしまった。
前に、紺野さんが言っていた私をよく思ってない先輩とはこの人のことかもしれない。

うつむく私のそはに松井くんがやってきた。

「気にすんな…。」

そう言って、松井くんはわたしの肩をポンと叩いた。

あの日から、松井くんは私に優しい。
困っていると、どこからともなくやってきてさり気なくフォローしてくれる。

『俺を利用しろよ…。』

あの言葉は一体どういう事なのだろう…。

そんなことを考えていると、中庭から私達を呼ぶ室長の声が聞こえた。

「瀬崎さんと松井くんちょっときてくれるか」

「「はい!」」

松井くんと二人で室長のもとへ走った。

「悪いんだけど、軽くリハーサルしたいから二人に新郎新婦の役やってもらいたいんだ。父親役は私がやるから…。」
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