婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
「あ これはどうも。珍しいですね…。お迎えなんて…。そうそう 明日はなつの考えたガーデンウエディングやるって知ってました? まあ 時間があったら見にきてやってくださいよ。それじゃあな なつ」
そう言って、松井くんは私の髪をクシャクシャして行ってしまった。
圭司は、目を細めながら暫く松井くんの後ろ姿を睨んでいた。
「なんだよ あれ…。俺に敵意むきだしだな」
無理もないよね…。
松井くんは芹香さんのこと知っているから、圭司のこと怒ってるんだと思う。
「行くぞ なつ…。」
そう言って、圭司は私の手を掴むと、車へと歩き出した。
「なつ お腹すいてる…?」
「ううん 休憩の時にサンドイッチ食べたがら…。」
私は、助手席のドアを開けた。
車に乗るのは、芹香さんに会ったあの日以来だった…。
微かに残る甘い香水の香り…。
今日もこの車に 芹香さん 乗ってたんだ…。
私は圭司に悟られないように、無理して笑顔を作った。
「なんか 久しぶりだね。」
「そうだな…。そういえば なつさ ちょっと痩せたよな…。この2週間くらいあんまり食べてないだろ? 2キロは落ちたよな?」
「えつ…?」
確かにそれくらい痩せたけど、そこまでよく分かるもんだなとちょっと驚いた。