365日の恋
第一章 気持ちの行方

私のコクハク

「…ごめん」

曖昧な笑顔を浮かべながら彼はつぶやいた。
君でもそんな顔するんだ。

「そっ、か。ごめんね…部活前の忙しい時間に呼び出して」

自然と視線が下がる。
でも顔はあげなきゃ。目の縁から熱いものがこぼれ落ちそう。

「き、気にしないで、ね…。これまで通り、友だちでいたいから…ね?」

声が震えた。変なふうに思われたかな。
動揺してるって。
どうか、気付かないままでいて。

「あぁ、もちろんだよ。俺と來海は最高の友だちさ」

「もうっ!お世辞はいいのに!」

そう言って、玲苑の肩を軽く叩く。

「ははっ。じゃあ、もう行くな」

「あ、うん!サッカー頑張って」
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