誘惑したい上司の条件〜真島果穂になりたくて〜
「課長…浮気です、う・わ・き…」
こんな事を丁寧に言い直しさせられるなんて…。
「浮気…?」
「…はい。」
「浮気って…なんなのか知ってるのか…?」
「はい…。」
「恋人意外の異性となんかすることだぞ…?」
「はい…。」
暫くの沈黙のあと、眉間を押さえていた課長が大きなため息をついた。
「こんな場所でする話じゃないな。来い」
「あっ…えっ?…はい」
スタスタ歩き出した真島課長の少し後ろをついて行く。
静かな沈黙に
真島課長が今、何を考えているのか、分からなくて…。
目の前にあるこの背中が…
離れていた時の距離よりも遠く感じる。