誘惑したい上司の条件〜真島果穂になりたくて〜
「誤解は…解けましたか?」
私が電話してる間、新井課長はずっと心配そうに見守ってくれていた。
今もそう…
眉を下げて
壊れものに触れるような
そんな態度で私の背中をそっと撫でた。
真島課長にも…本社から連絡がいったのだろうか…。
聞くのが恐い。
「規則違反を認めて自主退職をします」
顔を上げて笑った私を、新井課長は驚いた様子で見つめた。
「規則違反を認めるって…
どういうことですか?」
既に本社にバレてしまってるのに、新井課長に秘密にしておく必要もない。
「ずっと、隠しててすみません。
私…実は…
上司である真島課長とお付き合いをしています。」
「えっ?」
静かな沈黙のあと、私は深く頭を下げた。