誘惑したい上司の条件〜真島果穂になりたくて〜
「なんなんだ、その赤ら様に知らないフリをしている態度は…⁈」
どの方向に顔を向けても、厳しい顔が追いかけてくるから…
私はとうとう観念して、その場で頭を下げた。
「すいませーん!男性の"ピー"事情を皆に聞いてみただけです!
決して課長がどうとかは話してません‼」
冷や汗だらだらな私の頬をグイっとつねると、ようやくいつもの呆れ顔を見せてくれた…。
「っとにお前は…!
女性が恋人以外の男性に下ネタなんか話すのは絶対ダメだ‼
俺は絶対に果穂が他の男どもと下ネタトークをするなんて絶対許さないからな!
そういう話題をふる女は軽く見られるし、バカな奴なら酔った勢いでいけるんじゃね?みたいな事を考える奴だっているんだ‼」
課長が分かりやすく、バカな奴らしい人のモノマネを混ぜながら、話してくれたので…
私も素直にもう一度、頭を下げて謝った。
ところで課長…
「恋人同士なら下ネタトークがOKなのは知りませんでした…」
キョトンと小首を傾げた私に
課長は自分の口を手で覆って視線を逸らせる…。