誘惑したい上司の条件〜真島果穂になりたくて〜
舌うちし返した私に川嶋は黙ってパソコンで入力作業を済ませると、静かに近寄り久しぶりに多くとれた契約件数を耳うちしてくる。
それは最近の私の一番良かった契約件数よりも上回っていて
勝ち誇った顔で私を見る川嶋に腹がたつ。
もし今日、私だって外に行けてたら川嶋以上に契約をとったかもしれないのにっ…
腹立って川嶋のスネを蹴ると、いい感じに痛い場所に当たったのか、悲鳴もあげずにガタガタっと転げる。
その音でようやく、私達のバカ行動に気づいた新井課長がくすくす笑いながら聞いてきた。
「お二人はとても仲が良いんですね?」
「「んなわけないですっっ‼」」
川嶋と私の声が重なったから、新井課長はまた肩を震わせ笑う。