誘惑したい上司の条件〜真島果穂になりたくて〜
「果穂と仲が良いなんて悪寒がするわっ!」
「こっちのセリフよっ‼」
新井課長に笑われながらもプイっとそっぽを向き合うと、川嶋はいつものようにお疲れさーんと帰って行く。
また、二人きりの静かなオフィス。
二人きりと言うよりは私は空気。
新井課長は今日一日パソコン画面と向き合っててほとんど私の出番なし。
仕方ないから苦手な事務作業をしてました。
と、いうか…まだ残るつもりなら役にたてる事もなさそうだし帰りたい。
帰って…
真島課長にごめんね。の電話をしたい。
今日たった一日で気づかされた。
私は真島課長がそばに居ないと淋しい…。
喧嘩したままではやっぱり嫌。
そう思い、何度も時間を気にしていると、ようやくそんな私に気づいてくれたのか新井課長が「今日は終わりにしますか」と笑いながら立ち上がった。