誘惑したい上司の条件〜真島果穂になりたくて〜
「ボーッとしてどうしたんですか?食べたいもの注文しましょうよ?」
「え、ええ…」
彼は店員さんを呼び、メニュー表を見ながら注文を始める。
こいつ…これから先、あなどっていたら足元を掬われるかもしれないわ…。
その歳で課長に昇進したと言ったって営業マンとしての経験は私のほうが上よ。
その私を商売相手のように上手くノせておだてようっていう魂胆なら、同じプロの営業マンとして、引くわけにはいかないわっ…
やってやろうじゃない…。
なぜか…体の奥底から湧き上がってきたやる気の闘志。
「…果穂さんは何を注文します?」
私に視線を移した彼に、慌ててメニュー表を確認しようとした時。
注文を聞きにきていた店主が笑いながら言った。