誘惑したい上司の条件〜真島果穂になりたくて〜
寮というよりは昔ながらの○○荘といった感じの社員寮は
六畳一間の部屋が10件同じ建物内にあって、トイレ風呂、洗濯機も共同。
木造の古すぎる建物は隙間風だって当たり前に吹いて来るし歩けば軋む。
そんな寮にインターホンなど親切なものがあるわけがない。
「どちら様?」
部屋のドアを開けると
「プライベートの時間にすいません。」とこちらの営業所の部下である芳賀という女性が申し訳なさそうな表情で立っていた。
「芳賀さん?」
「お仕事から戻られたばかりなのにすいません…。私、真島課長の隣の部屋なんですけど…。
ちょっと困った事がありまして、お願いできますでしょうか?」
「えっ?ああ…いいけど。」
早く果穂と連絡をとりたいが、困っている部下を放っておくこともできずに携帯だけ所持して隣の彼女の部屋へと向かった。