誘惑したい上司の条件〜真島果穂になりたくて〜
「あーっ、もう!なにがなんだか…っ‼」
くしゃっと髪を掻きあげると、カチャンとドアの開く音がして
肩にタオルをかけて、スエット姿の新井課長が姿を見せた。
「…えっ?」
彼の姿を見るなり、間抜けな声をだしてしまった私を見て
彼は可笑しそうにクスクス笑った。
「なにがなんだかって顔をしてますよ、果穂さん?」
「…その通りです。」
「居酒屋さんで話しをしてる途中で果穂さんぶっ倒れたんですよ?
ってか、あれは気絶じゃなくて、完璧に寝てましたけど。
居酒屋の店主さんに自宅まで送るように頼まれたけど、自宅なんか知らないし…
今、俺が住まわせて貰ってる寮に連れてきたんです。」
…
寝てた?
寝てた…。
そういや、昨日は真島課長との事を考えすぎてほぼ睡眠ゼロだった‼
無睡眠だったことも忘れてアルコールなんか飲んだから
急に睡魔に襲われてしまったんだっ‼