愛は時として狂気と化す
そう言い捨てて去ろうとした灰くんを、わたしは放っておけなかった。

「家がないなら、わたしの家に来ませんか!?
わたしが…あなたの面倒を見ますから…!!
わた…わたしの…ボディーガードになりませんか!?」


わたしは、灰くんに向かって叫んだ。


その後、何十分かかけて両親と灰くんを説得し、灰くんは家にくることになった。


汚れていて、ぼろぼろだった灰くんをお風呂に入れて、わたしは空き部屋に灰くん用の家具を置いた。


「おじょーさま。出ましたよ」

髪を拭きながら出てきた灰くんは
さっきまで街をうろついていた浮浪者には見えなかった。


そんじょそこらのアイドルとか俳優より、ずっとかっこよかった。


「えっと、あんた名前何?いくつ?」

「あっ、瑠美。百城瑠美。10歳」

「ルミお嬢様ね。同い年なんだ」


灰くんは人懐っこい笑顔で言った。


「ね、俺に名前付けてよ。
ペット感覚でいいからさ」


「えっ、ええ??」


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