愛は時として狂気と化す


その後の記憶は

あまりない。


覚えてるのは

真っ暗な部屋で鎖に繋がれた灰くんと



黒いベッドに降った真っ赤な薔薇の花弁と


灰くんの悲鳴。



「やっぱり……瑠美は綺麗だ」



悲鳴の中で聞こえたこの言葉は


灰くんが言ったものなんだろうか…


それは

今でもわたしにはわからない。


知っているのは


灰くんと

『本物のわたし』だけ。




< 18 / 43 >

この作品をシェア

pagetop