愛は時として狂気と化す
額に脂汗を浮かべながら、灰くんは力なく笑った。
「灰くん…」
「俺、寝相かなり悪いんだよな。
びっくりした?…はは…」
灰くんは、額の汗を拭いながらそう言うと、ベッドから下りた。
「灰くん」
「ん?何?」
「灰くんは…わたしのことが好き?」
唐突な質問に、灰くんは目を丸くしたあと、にっこりと微笑んだ。
「好きだよ」
「ねぇ灰くん…灰くんは、自立とか、考えないの?」
「急に…どうした?」
「…来年には…高校も卒業でしょう?
灰くんにだって夢はあるだろうし
この家を出て、夢を叶えればいいわ。
支援はお父さんに頼んであげるから」