愛は時として狂気と化す
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『本物のわたし』
それは
灰くんを愛するが故に生まれた
破壊衝動の塊。
『誰よりも愛してるの。
他の人じゃなく、わたしを見て。
わたしだけを見て。
わたしだけを好きでいて。
あなたは他の女を見ちゃダメ。
そんなことをしたら
その綺麗な目を潰すから。
あなたは他の女を抱き締めちゃダメ。
そんなことをしたら
その逞しい腕を折るから。
あなたは他の女に囁いちゃダメ。
そんなことをしたら
その低く良く通る声を潰すから』
嫉妬心が
わたしを狂わせ
こんな我儘を思うようになり
いつしかそれは
一つの人格となってしまい
『本物のわたし』が生まれた。
「灰くん…だぁい好きよ…。
他の誰にも渡してなんかやらない…。
だから
わたしがあなたを壊してあげる」