愛は時として狂気と化す
‡2‡



『本物のわたし』



それは


灰くんを愛するが故に生まれた



破壊衝動の塊。





『誰よりも愛してるの。
他の人じゃなく、わたしを見て。
わたしだけを見て。
わたしだけを好きでいて。


あなたは他の女を見ちゃダメ。

そんなことをしたら
その綺麗な目を潰すから。


あなたは他の女を抱き締めちゃダメ。

そんなことをしたら
その逞しい腕を折るから。


あなたは他の女に囁いちゃダメ。

そんなことをしたら
その低く良く通る声を潰すから』




嫉妬心が

わたしを狂わせ


こんな我儘を思うようになり



いつしかそれは

一つの人格となってしまい



『本物のわたし』が生まれた。






「灰くん…だぁい好きよ…。

他の誰にも渡してなんかやらない…。


だから

わたしがあなたを壊してあげる」




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