穏やかと癒し・・・ときどき、あい・・・
はじまり
「今日ヒマ?」
お昼を10分くらい過ぎた頃、早川孝徳に声を掛けられた。
挨拶と仕事以外で話しかけられたのは初めて。
「急ぎはないから、手伝えるけど……」
もしかしてって思ったけど勘違いなら恥ずかしい。
仕事の話として、もう少しで入力作業が終わるパソコンの画面を見ながらそう言った。
「いやいや、仕事じゃなくて、終わってからヒマ?なんか予定ある?」
勘違いではなかったらしい。
「特にないけど……」
「じゃちょっと付き合って」
「な、なに?」
ようやく私は顔を上げた。
すると、早川さんは笑顔で私を見ていた。
「友達と会うんだけど、誰か誘えって言われてて、で、緒方さん」
「なんで私?」
「隣の席のよしみ」
「……」
「ご飯奢るし、頼むよ」
「……」
「やっぱだめ?」
「ダメじゃないけど、なんで私って思うから」
「隣のよしみ」
「早川さんなら他に頼める人いるでしょう?」
「たしかにいるけど、緒方さんがいいんだ」
「だから、なんで私?」
「謎だから興味ある。じゃ6時半に隣のビルの本屋の前で」
そう言って彼はフロアから出ていった。
「行くなんて言ってない」
謎だから興味ある。なんて言われたら、行かないといけない気になる。
お昼を10分くらい過ぎた頃、早川孝徳に声を掛けられた。
挨拶と仕事以外で話しかけられたのは初めて。
「急ぎはないから、手伝えるけど……」
もしかしてって思ったけど勘違いなら恥ずかしい。
仕事の話として、もう少しで入力作業が終わるパソコンの画面を見ながらそう言った。
「いやいや、仕事じゃなくて、終わってからヒマ?なんか予定ある?」
勘違いではなかったらしい。
「特にないけど……」
「じゃちょっと付き合って」
「な、なに?」
ようやく私は顔を上げた。
すると、早川さんは笑顔で私を見ていた。
「友達と会うんだけど、誰か誘えって言われてて、で、緒方さん」
「なんで私?」
「隣の席のよしみ」
「……」
「ご飯奢るし、頼むよ」
「……」
「やっぱだめ?」
「ダメじゃないけど、なんで私って思うから」
「隣のよしみ」
「早川さんなら他に頼める人いるでしょう?」
「たしかにいるけど、緒方さんがいいんだ」
「だから、なんで私?」
「謎だから興味ある。じゃ6時半に隣のビルの本屋の前で」
そう言って彼はフロアから出ていった。
「行くなんて言ってない」
謎だから興味ある。なんて言われたら、行かないといけない気になる。
< 1 / 181 >