穏やかと癒し・・・ときどき、あい・・・
目が覚めて顔を洗い、リビングへと向かう。

孝徳はパソコンで何かしていた。

孝徳が昨日帰ってきた時のことを話してくれた。

孝徳が帰ってきて、寝てると思い部屋に行ったけどいない。
帰ったのかと焦ったけど、靴もあったしリビングかと思いながら、リビングに入ったらしい。

私はソファーに横たわり寝ていた。
テーブルに空のワインボトル、空のグラス。

起こしても起きなかった私を抱えて、ベッドに寝かせてくれた。

ありえない・・・

「ごめんなさい」

私は頭を下げた。

「いいけど、一人で1本開けるなんて、もうダメだからね」

「はい」

私はソファーに座った。

昨日のことを思い出そうとする。

孝徳が帰って来なくて、ワインを開けて・・・

「昨日・・・・・・」

その後の言葉が出ない。

私が聞き過ぎるのもダメだよね・・・

孝徳は察したのかソファーの隣に座った。

「昨日、ごめんな。昨日中に帰ってくるつもりだったけど、久し振りだったから話が盛り上がって・・・」

孝徳らしい。きちんと説明してくれる。

「楽しかった?」

「ああ、色んな話があって時間を忘れるくらい、楽しいんだ」

「そうなんだね」

孝徳が楽しかったなら、私はそれで良かった。と、思う。

「で、咲希はなんでワインなんか飲んでたの?」

えっ!?

答えられません。

「ご褒美」

「なんのご褒美だよ。昨日は昼間もしてないからご褒美なんてありえないと思うけど?」

と、孝徳がとても意地悪な笑みを浮かべた。

で、私は慌てる。

「ちゃんと頑張ったよ。だから少し飲んじゃおうかなぁ~なんて思って・・・」

「で、1本なの?」

「飲みだしたらとまらなくなったの」

「ふーん。まっいいけどね。でも他の男の前で飲むなよ」

「はーい」

「ホントにわかってるのかよ」

孝徳はぶつぶつ言いながら立ち上がり、「なんか飲む?」と、声を掛けてくれた。

「カフェオーレ」

と、私も立ち上がり、キッチンに向かう。

「二日酔いの人はソファーに座ってて」

「そんなイジワル言わないでよ。もう大丈夫だから」

孝徳が甘い温かいカフェオーレを入れてくれた。


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