穏やかと癒し・・・ときどき、あい・・・
孝徳のマンションの部屋に入った。

玄関で孝徳が誰もいない二人だけの空間で、孝徳が言った。

「咲希、俺が触れてもいい?」

ああ、そうか。

会って抱きしめてもらえなかったのは、そう言うことだ。

私に確認するため。

「私に触れていいのは孝徳だけだよ」

と、言うと同時に包み込むように抱きしめてくれた。

「咲希、咲希」

何度も何度も名前を呼ばれて、ぎゅっと抱きしめてくれる。

どのくらい経ったのか・・・

「ごめん。こんな玄関先で・・・」

手が解かれ孝徳が離れた。

「もっとこうしてたい」

孝徳の手が離れた・・・離れたくない。

今度は私がきゅっとする。

「だから・・・こっちきて・・・」

私の手を解き、繋がれたまま、靴を脱ぎ、二人はリビングに行かず、部屋に入った。

「もっとこうしてたい」

孝徳はドアが閉まるとその場でぎゅっと私を抱きしめてくれた。

「咲希、咲希」

とても切ない声で名前を呼ばれる。

そして・・・

見つめあった瞬間、優しいキスが落ちてきた。

しばらく優しいキスが続く・・・

私をベッドに横たわらせた。

「咲希・・・戻って来てくれて嬉しい」

そう言うと、キスが頬へおでこへ目へ耳へ首筋へと唇が這っていく。

私はそれだけで、吐息がもれた。

「咲希」

「孝徳・・・」

私は孝徳の首に手を回した。

「私が孝徳のそばにいてもいい?」

「当たり前だろう?いてくれないと困る」

と、孝徳はそう言うと、私を見つめてもう一度キス・・・

「孝徳」

首に回した手をきゅっとして、孝徳を引き寄せた。

「孝徳が好き。そばにいさせて・・・」

私がそう言うと、孝徳は顔を上げた。

「俺のそばにいて・・・咲希じゃないとダメなんだ・・・」

優しいキスをくれた後、孝徳は耳元で囁いた。

「最初に言っとく。今日は優しくする自信ない・・から・・・咲希を全て俺のものにするから・・・」

孝徳のキスが愛撫へと変わた。
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