穏やかと癒し・・・ときどき、あい・・・

私は緒方咲希、30歳。

ここ、住谷株式会社の管理部の一員として働いている。

スポーツ関連商品・化粧品等幅広く事業展開している企業だ。

割と有名らしい。

私は中途採用で、採用試験を受けるまで存在さえ知らなかった。

先ほどの早川孝徳も同じく中途採用。

ほぼ同時期に入社した、いわゆる同期だ。

彼は入社して、営業本部に配属になった。

前職でも営業をしていたのだろう、いきなり営業本部は異例と聞いたことがある。

１年程経った後、市内にある営業所に異動し、２年後に定年退職する予定の所長の下で将来の所長として勉強かつ事務所のあり方等を考える仕事を担っていた。

で、今回管理部に異動。

退職予定の所長と所長になる自分の代わりを育てての本社へのご帰還。

彼と私は住む世界が違う。

そう認識している。

彼は私を前から知っていただろうか？

同時期に入社したと言っても顔を合わしたことがあったのか思い出せない。

私は彼と話してみたいと思った。

なぜそう思ったのかはわからない。